ファブリー病の治療には酵素補充療法、薬理学的シャペロン療法、対症療法などがあります 酵素補充療法 ファブリー病は、グロボトリアオシルセラミド(GL-3)を代謝する酵素であるα-ガラクトシダーゼAが不足あるいは働きが低下したりするためにおこる疾患です。 酵素補充療法は、この不足している酵素を薬剤として補充することにより、症状の改善や進行の抑制をめざす治療法です。 薬理学的シャペロン療法 ファブリー病の一部の患者さんでは、代謝酵素α-ガラクトシダーゼAの構造が不安定で、本来とは異なる構造になることが原因の場合があります。 薬理学的シャペロン療法は、α-ガラクトシダーゼAの構造を安定化させるお薬を飲む治療法で、ある特定の遺伝子変異がある場合に作用します。 対症療法 病気によっておきている症状をやわらげるために行います。 手足の痛み 痛みを引き起こす原因となる急激な温度変化、ストレス、はげしい運動や疲労などを避けるように心がけます。抗てんかん薬などが投与されます。 消化器症状 食事療法および胃の運動を改善するお薬による治療が行われます。 眼の症状 網膜動脈閉塞などへの治療が行われます。 心機能障害 不整脈、心不全などへの治療を行います。 症状に応じて、強心剤、抗不整脈薬、ACE阻害薬、利尿剤などのお薬による治療が行われます。 腎機能障害 腎臓の保護やたんぱく尿を改善する作用のあるお薬が投与される場合があります。 症状が悪化してしまった場合は、血液透析や腎移植などが行われることもあります。 脳血管障害 血栓ができるのを予防するためのお薬が投与される場合があります。